日曜日, 2月 08, 2015

チャイコフスキー 交響曲第2番 ショルティ/パリ管(1956年)

チャイコフスキー:交響曲第2番&第5番


ショルティ、壮年期のパリ音楽院管弦楽団とのチャイコフスキー集(1956年録音) 。以下は2番について。この曲を普段、好んで聴く好事家は多くはないだろう。後期3曲にくらべて、構成力が弱く求心力にも欠ける(特に第1、第4楽章)。チャイコフスキーらしい哀調のメロディは魅力だが分断化されており、一定のイメージを形成するだけの曲想にいたらず中途半端な印象は否めない。

 しかし、こうした曲なればこそ、ショルティの力量は実によく発揮される。ショルティ特有の堅固な音づくりが構成力の弱さを補強し、磨きこむようなテクスチャー解読によって、個々のメロディに強さと輝きを与えて名曲に準じるレヴェルまで演奏で引き上げていくような出来である。録音は解像力には問題はあるが、パリ音楽院管弦楽団の各パートの生き生きとした楽器の妙技は光る(特に第2楽章)。
 

土曜日, 2月 07, 2015

初期ヴェネチア リュート曲集

ヴェネツィアのリュート曲集

 
クリストファー・ウィルソン - Christopher Wilson (1951-)は、 ロンドン王立音楽大学でリュートを専攻し、 lutenists としてルネサンス音楽の大家の道を歩んでいる。オムニバスの名曲集の多いなかで、初期ヴェネチアのリュート集という明確なコンセプトでまとめた特色あるもの。
ダルサ、スピナッチーノのほかフランシスクス・ボッシネンシス(14851535年)、ヴィンチェンツォ・カピローラ(14741548年)らの作品を楽しめる。リュートならではの、おおらかで静謐な響きの一方、この楽器の技巧が並大抵でないことを名手クリストファー・ウィルソンから存分に知ることができるだろう。以下は収録情報を参考まで。
 
(収録情報)
【ヨアン・アンブロシオ・ダルサ】
1.スペイン風カラータ
2.弦の調べ
3.ベネチア風のパヴァーヌ
21.弦の調べ
22.スペイン風カラータ
23.欲しいから
24.ラウダート・ディオ
25.サルタレッロとピーヴァ
 
【フランチェスコ・スピナッチーノ】
4.リチェルカール
5.私は恋人を得た
7.ジョスカンのベルナルディーナ
18.ジュ・ヌ・フェ
19.リチェルカール
20.あらゆる才能に長け
 
【フランシスクス・ボッシネンシス】
6.リチェルカール
 
【ヴィンチェンツォ・カピローラ】
8.リチェルカール
9.美しい歌
10.ヴィラネッラ
11.私の先の見えぬ残酷な運命
12.ケ・ファラーラ・ケ・ディラーラ
 
(作者不詳)
13.私を否定しないで
14.リチェルカール
15.パヴァーヌ
16.カラータ