木曜日, 4月 10, 2008

モーツァルト 魔笛


■モーツァルト:・歌劇『魔笛』ハイライト ロバータ・ピータース イヴリン・リアー フリッツ・ヴンダーリヒ ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ フランツ・クラス ハンス・ホッター、他 RIAS室内合唱団 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  カール・ベーム(指揮) 録音:1964年(デジタル)

■モーツァルト:歌劇 《魔笛》 K.620   夜の女王 … スミ・ヨー(ソプラノ)  パミーナ … ルート・ツィーザク(ソプラノ)  タミーノ … ウーヴェ・ハイルマン(テノール)  パパゲーノ … ミヒャエル・クラウス(バス)  パパゲーナ … ロッテ・ライトナー(ソプラノ)  ザラストロ … クルト・モル(バス)  モノスタトス … ハインツ・ツェドニク(テノール) ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団  サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮) 録音:1990年 [デジタル録音] 

 NHK「その時歴史は動いた」でモーツァルトの魔笛を取り上げていて、家にあるCDをかける。どちらも名演だが、ベームはちょっと緊張感がまさり重い。ショルティはやわらかくシルキーなウイーン・サウンドを紡ぎだして今日の気分では後者に軍配。

 NHKのアプローチは面白かったが、モーツァルトは音楽で「市民革命」の先鞭をつけたという政治性を少し強調しすぎかなとも思う。風刺、諧謔、語り、哄笑・・といった要素、「軽みの美学」といった粋があればこそ、今日にいたるまでの根強い人気の源泉ではないかとも感じる。<お馬鹿さん>の貴族階級に対して<民衆の味方>モーツアルトの音楽によるしっぺ返しという構図自体、書き割り的でちょっと説教臭いなあとも思う。

 しかしその一方で魔笛に全身全霊を傾注する姿を映し出してくれたのには、なるほどとも思った。「軽みの美学」を磨き上げるには命を削る努力があったという点は感動を生む。